特集テーマ

水の旅を追いかけてみよう。

山で湧き出し生まれた水が、川をつたって海へと注ぐ旅のなかで、水が見ている風景。それを、見てみたいと思いませんか?

川を旅をする水は、各地で食べものを育み、各地の人々の暮らしを潤してきました。山奥の源流域で暮らす人たち、中流域の住宅地で暮らす人たち、河口域や海辺で暮らす人たち。川の源流から河口まで、水の旅を追っていくと、各地で人々がどう生きてきたのか? が見えてきます。

山で生まれた一滴の水は、
海へとむかう旅の道中で何を育むのでしょうか?

水の旅を追いかけると見えてくるもの、それはお互いの暮らしです。お互いの暮らしが見えるようになると、お互いの立場に立って思考し言動するようにもなりそうです。水の旅を追いかけることで得られるもの、それは感謝する気持ちなのかもしれません。

水は、人々や動植物の暮らしを潤すだけでなく、感謝の気持ちを成長させてもくれるのでしょう。そのような役割を終え、海にたどり着いた水は、やがて水蒸気となって雨となり、ふたたび山へと帰っていくのです。

水の旅は永遠に続きます。

どうでしょう? 水の旅を一緒に追いかけてみませんか?

山から想う海のこと。海から考える山のこと。山と海をつなぐのは水の路(みち)。

※本プログラムは、日本財団 海と日本PROJECTの一環として開催されます。

[第1回] 源流の冷たい水は、海からやってきた
7月30日(火) 檜原村
たとえば、山で生まれた一滴の水は、 海へと至るその旅で何を育むのでしょうか? 山から海のことを考える「おいしい流域」全6回の第1回目は水の路(みち)が始まる山からスタートします。東京都唯一の“村”でもある檜原村が位置するのは多摩川水系の上流部。ここを拠点に観光分野で活動する「東京裏山ベース」のジンケンさんと、“遡上”を意味する「アナドロマス」の清田直博さんをナビゲーターにお招きし、川辺を歩き、湧水を汲み、水との暮らしを体験します。 *全6回シリーズですが、どの回も単発で参加できます。
[第2回] あゆが減って、ふたたび増えたわけ
8月6日(火)奥多摩
あゆは海と川を行き来する魚の象徴的なイメージではないでしょうか。夏になるとあゆは遡上し、川で藻を食べて成長して産卵します。その稚魚がまた海に戻っていきます。水、そして藻をはじめとした周辺環境に異変が起きるとこのあゆの生活サイクルが回らなくなってしまいます。天然あゆが減ったと言われるのはそこに要因があります。では具体的にどのような理由なのでしょう。また、天然と放流の違いはどんなことでしょう。東京サクラマスプロジェクトを立ち上げ活動している菅原和利さんをナビゲーターに、あゆをきっかけに川と海の生態循環を学びます。
[第3回] のりと、経済の、密接な関係
9月14日(土)大森
のりが成長するためには、太陽の光と、山から川を伝って流れてくるミネラルなどの養分が必要です。今回の舞台である東京都大田区の大森エリアは、かつてのりの名産地でした。しかし戦後、流域の宅地化や工業化によってのりの養殖がむずかしくなってしまいました。第4回に続き、江戸料理研究家のうすいはなこさんをナビゲートに、のり養殖が今や風前の灯火になってしまった背景にフォーカスを当てながら、海にとっての山の恵みの大切さを体験してみましょう。
[第4回] わさびを育むたくさんの小さな源流
9月28日(土)調布市深大寺
湧き水が豊富な場所は、わさびの栽培が盛んでした。今でもその原風景が残っている神代農園に訪問し、わさびとそれが必要とされていた食文化や地域の暮らしについて学び、体感します。子供はわさびは嫌いかもしれませんが、山から川、そして地表に湧き出るお水の恩恵を少しでも感じられることでしょう。 文脈デザインについて研究している玉利さんのナビゲーターで湧水と生活との関係について探っていきます。
[第5回] なまずが教えてくれる多摩川の今
10月1日(火)12:00〜15:00
食料の輸送や保存の技術が発達していなかった時代、海からそう遠くはない内陸部であっても淡水魚が貴重なタンパク源でした。たとえばなまずです。江戸時代には、なまずは重要な食べもので、多摩川流域でもたくさん獲れていたといわれています。さて、当時は暮らしの中でどのくらいなまずが重要だったのでしょうか? そして人々はなまずをどのような料理で食べていたのでしょうか? 江戸料理研究家のうすいはなこさんをナビゲーターに当時の暮らしに思いを馳せてみましょう。
[第6回] すずきさんは海と川のあいだで暮らす
10月20日(日)8:00〜14:00ごろ
「おいしい流域」の最終回では東京湾で暮らす「すずき」という魚について学びます。延々と旅を続けてきた川の淡水と、それを待ち受ける海の海水とが混じり合う水域(これを汽水域と呼びます)が、すずきの生活の場です。そう、すずきは淡水と海水の両方を必要とする生き物なのです。東京湾の多摩川河口付近でもすずき漁が行われています。ナビゲーターは「おさかな小学校」校長の鈴木允さんとすずきの漁師大野和彦さん。すずきという魚を入口にして、川と海の関係性について調べてみましょう。
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講義をつくる過程で出会ったヒト・モノ・コトを公開しています。ぜひ覗いてみてください。
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